夫婦再生事例 その1
Aさん
結婚18年 子ども 中学生、高校生
結婚後主婦業と育児に専念していたAさんですが
下のお子さんが小学生にあがったのをきっかけにパートに出るようになりました。
パートといえども、時間の拘束が長かったので、パートから帰ってから家事をこなして
子どもの相手をしているとあっという間に時間が過ぎます。
週末は、ご主人と家族ででかけていたものも、だんだん間遠になっていき
仕事があるからと外出がちになっていったご主人
でも、仕事だから自分が頑張らないと!と思い週末はAさんがお子さんたちを連れて遊びに行ったり。
まるで自分の時間はとれない。という歳月が続きました。
なんとなくおかしいな。
最近口数も少ないし、何か話しかけても「ふーん」と興味がなさそう。
いろいろ一緒にしたいこともあったけれど、それをご主人に伝えるのも気を使うようになっていったAさん
ますます、私が頑張らないと・・・と自分を奮い立たせるように頑張る日が続きました。
そんなある日
たまたまケータイを置きっぱなしにして入浴したご主人
ケータイをみるなんてとんでもないことだと思っていたAさんでしたが
メールの着信音が鳴ってケータイに目をやると、聞いたこともない苗字が画面にあったそうです。
もうすぐ日付が変わろうかというそんな時間に男性からメールがくるわけがない。
とても嫌な予感がして、初めてご主人のケータイを触ったそうです。
ロックがかかっているのもその時まで知らなかったAさんでしたが、なんとなく入力してみるとロックは解除されました。
早くしないと夫がお風呂からあがってくる・
心臓はドキドキするし、手も震えるし。
そんな状態で 一瞬の躊躇はあったものの、メールをみると
「さっきは楽しかったね(ハートマーク)
今度いつ会える?
次こそは〇〇につれていってね」
という文字が。
自分のケータイでその画面を写メしたAさん
他のところもみようと思ったものの、ご主人がお風呂からでてきた気配があったので、あわてて元の位置に戻したそうです。
Aさんは、ご主人に怒られるのを覚悟で、メールをみてしまったことを伝え
その人はだれか?と聞いたそうですが、ご主人は会社の部下で、みんなと一緒に飲んでいただけ。
ハートマークなんていまどきの子は、誰にでも送るし酔ってるだろう。
と、ごまかしたそうです。
そして案の定、人のケータイをロックまで勝手にあけて盗み見るなんて、という行為を責められてその日は終わったそうです。
Aさんが納得しなかったのは言うまでもありません。
それから、夫は浮気している。というふうにしか見られなくなり、残業だといわれても、疑う自分
休日出勤だといわれても、疑う自分
何から何まで信じられなくなる自分が嫌になっていったそうです。
自分の思い込みだ。
夫の言うとおり、ただの上司と部下の関係に決まっている。
そんなふうに信じることができたらどんなに楽だろう。
浮気って、夫はそんなことをする人だったのだろうか?
私のどこがいけなかったのか?
夫には何ひとつ迷惑もかけてこなかったのに。何が不満だったのか?
毎日開けても暮れてもそのことばかりに気をとられ、仕事にも身が入らず、家事もできなくなっていったそうです。
そんなある日、ネットで 夫の不倫問題を乗り越えて、今とても幸せに暮らしているという私のブログをみつけ
カウンセリング申請をされました。
不倫されたのに、仲のいい夫婦関係を築いているというのが、ほんとなの?
というのが本当の気持ちでした。
しばらく考えたけれど、嘘でもいい。
とにかく直接話しを聞いてみたい。
私たちみたいな夫婦でもやり直すことは可能なの?
あおきさんご夫婦が何か特別なの?
もし、これが事実ならどうすればそんなふうになれるの?
まず、お二人の性格診断をしました。
ご主人はとってもマイペースな人
Aさんは、とっても思いやり深い人で、頑張り屋さん ということが判明
相手を思いやれる人というのは、自分の中でどんどん相手の気持ちをはかり、自分を犠牲にしてでも
その人に尽くしてしまうことが多々あります。
夫は仕事があるから、私が家庭を守らなければいけない。という思いがあるので
夫の迷惑であろうことは、すべてAさんがこなしてきました。
こなすうちに、それがAさんの家庭では当たり前になっていったのです。
また、Aさんも自分が我慢している。無理をしているということに気づけなくて
心の中にはどんどん不平不満をため込んでいたのですね。
そして ご主人が浮気しているかもしれない。と思い出してからは特にその不平不満が充満してしまいました。
人間、心に不平不満をためていると、言葉に出さずとも、顔や背中に「私は不満があります。」
「私の頑張りをもっと認めてくれてもいいのでは?」というような思いを書いた紙を貼ってしまいます。
けれど、自分では気づきません。
御主人や、お子さんたちはその空気をどんどん感じ取っていきますから、家庭の空気はどんどん曇っていきます。
それでもAさんは、私は頑張っている。と思ってるのです。
また、頑張る人、真面目な人ほど、思考人間が多いですので、自分の感情に気づけないです。
私の中でのAさん向けのカリキュラムができました。
自分の本心に気づくこと。
そのためには、とことん 自分を知ることが必要となります。
まずは、自分の思考の癖とは?というものを一緒に探しました。
そして、どういう成育歴からその思考の元ができたのか?
過去を一緒に振り返り、その過去の自分を癒してもらいました。
強固に持っていたその思考の元というのは、実は幼い時にお母さん向けに自分がもってしまった思考です。
成長した今、妻となった今、母親となった今、もうお母さん仕様の思考は必要がありません。
そのあたりをしっかり心で感じ取っていただきました。
そして自分自身がもっている不平不満とは何か?を検証しました。
それらをどうすることによって解決できるかを考えました。
Aさんの場合は、自分自身で物事を選択するということがほとんどない人生だったとのことで、
自分が自分の人生を創るというところが初めはピンとこなかったそうです。
けれど、何度か電話でお話しする中で、どんどん自分の本当の気持ちが見えてきたそうです。
自分がかたくなに持っていた思考の元
それらを手放したいと思うようになり、何かがあれば、自分はどう感じているのだろう?
と自分の感情を感じるよう実践していくようになっていきました。
そこまでいくのに、だいたい6か月ほどかかりました。
6か月は早い方だと思います。
Aさんは今 家族4人で週末楽しく過ごしています。
あの日のメールの相手。ご主人の浮気相手だったかもしれませんし、ただの部下だったのかもしれません。
けれど、今はもうどうでもいいそうです。
ご主人が「違う。浮気相手ではない」という限り、家庭を壊すつもりはないのだろうと思えるそうです。
そしてその証拠として、何を話しても「ふーん」だったご主人が「それで?」と話にのってくるようになったそうです。
ただ、それだけのことかもしれませんが、その積み重ねが大きく夫婦の道を変えていくことでもあります。
どうしてこういう変化が起こったのでしょう?
それは、Aさんの顔や背中から、「私は不満があります」という張り紙をはずせたからです。
Aさんは、自分にとってご主人とはとても大切な人だということに気が付けた。
だからこそ、一緒にいる時間を大切にしたい。と心から思うようになったのです。
なので、ご主人に感謝する気持ちにも気づけたそうです。
すべて家族のため。と頑張っていた自分から、自分のため。へと変化させた結果得たものが家族団らんでした。
夫に女がいる?
と思ったとき、また愛されないの?私
と思ったのを覚えています。
あおきさんとのやり取りの中で、それは遠い日母に対して感じた気持ちだったというのがわかりました。
もっともっと頑張らばらなければ愛されない。
そう思ってどんどん自分を追いつめていったのですね。
必死で頑張っているのにどうして?
ってずっと思っていました。
けれど、私だけ。という思いは夫を無言で責め続けていたのですね。
自分が楽に生きるということに意識を向けていく中で夫もどんどん柔らかくなりました。
浮気していたのかどうか?
わかりません。してないよ。なんでもないよ。っていう夫の言葉でしたが、本当はどうなのかわからないけれど
今も夫は私の夫です。
こうやって夫と、家族と楽しい時間を過ごすことが私は本当は望んでいたこと。
頑張りすぎなくてもいいって気づけてよかったです。
あおきさん、ありがとうございました。